Aug. 7 2009
The Pianist~シュピルマンの時計

邦題「戦場のピアニスト」、ご存知の通り1939年から1943年までピアニスト シュピルマンのドイツ占領下におけるポーランドでの悲惨かつ奇跡的な出来事を描いた感動作品ですが、冒頭の録音風景からシュピルマンを演ずるエイドリアン・ブロディの左腕にいきなりレベルソが見えます。レベルソは劇中何回もチラリと写ります。後半で、「今の自分には時間よりお金だ」とレベルソをお金に換えるために手放す印象的なシーンがあります。結局それは自分の食料にはならず、だまし取られたことになりますが...。
いったいレベルソは幾らになっていたのか...?
ちなみ劇中、戦争下での物の値段がメチャクチャになっていくエピソードがあります。1940年まだ家族と同居しているころピアノを売りますがその価格が2000ゾーテ(家族はそんな価格なら売らないほうがましだと激怒)、その2年後家族が強制収容所に護送される直前、子供がキャラメルを売りに来ますが、1個1000ゾーテ。坊主儲けすぎだぞと言いながらシュピルマンのお父さんは渋々買い、それを6等分して皆で分けます。
レベルソの発売は1931年ですから、その時代の時計ならということでレベルソになったのか、あるいは原作にそうあるからレベルソなのかは不明です。
原作にないとしても、細部にわったって時代背景を考慮されて製作されていると思われます。厳密には当時は、レベルソは今でいうクラシック(サイズ)なんでしょうが、映画では、なんとなくビックレベルソのような気もします。(これは判定不能)ただそれは些細なことで、ピアノに向かうシュピルマン(エイドリアン・ブロディ)はレベルソがよく似合ってますね。ストラップは以前の定番だったキャメル色のオーストリッチのような気もします。
シュピルマンは1940年頃、本当にレベルソを愛用していたのだろうか?
少し気になったのです。
シュピルマンの息子さんが父シュピルマンの思い出を書いた「シュピルマンの時計」という本があるとお客様からお伺いし、その本をお借りして拝見したところ、その本の中にも映画の中にあったシュピルマンが時計を手放すエピソードは実話とあり、だまし取られたとありますが、残念ながらその時計が、ルクルトのレベルソとまでは、記載されていませんでした。ちなみに、その本の表紙にIWCの時計があり、それは著者が父シュピルマンから92年にワルシャワで譲り受けた時計でシュピルマンが48年頃闇市で買ったものとあります。
レベルソの真意はいまだわかりませんが、その本によるとシュピルマンは車、時計、パイプ、カメラ...に趣味があったとあり演奏旅行で各国をまわり収集したともあります。戦後は自分の失われた時間を取り戻すかのように時計を収集したとか。
個人的に、シュピルマンはレベルソを持っていたと思います。

Posted by nakaya : 13:21
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