2005年バーゼルフェアで発表されたアランシルベスタインの新作は、ステンレス(316L)に特殊な技法によるラッカーによるカラーリングが施されています。色を乗せる部分を薬品で溶かして、そこに1色目を流し、磨きをかけ、1色目が終わるとそれを保護して,2色目,3色目と同様に施していくそうです。写真は左から「トゥールビヨン・ラッカー・アイスクリーム」「トゥールビヨン・ラッカー・LICHEN(こけ)」「ペイブクロノ・ラッカー・ブラックライト」「クロノ・バウハウス2MEADOW(牧草地)」「クロノ・バウハウス2SEAWEED(海草)」
ユニークなアランらしい新作発表も健在ぶりを発揮してくれていいんですが、昨年発表モデルでご予約を消化していないモデルが未だある状態なので複雑な心境であります。
ノモスの純正ストラップのサイズ(長さ)
ノモス純正ストラップサイズにはSサイズとMサイズLサイズがあります。
Sサイズは、6時側が70mm、12時側が105mm
Mサイズは、6時側が70mm、12時側が115mm
Lサイズは、6時側が85mm、12時側130mm
モデルのケースサイズによって若干ことなりますが、
手首サイズ16cm以下の方はSサイズ
20cm以上の方はLサイズがオススメです。
親から子に時計を贈る時。
さっき、お母さんと今度大学にご入学されるお嬢さんとお二人で来店され、お母さんがお嬢さんに時計をプレゼントされました。
親が子供に時計を贈るということは、これからは自分の時間を持ちなさいという特別な意味があるというアランシルベスタインの言葉を思い出しました。お母さんは言葉にしていませんでしたが、お嬢さんには、そんなお母さんの気持ちが伝わっていたような気がしました。
オーバーホールに出す前の確認と心構え。
時計を選ぶときに、ディテールにこだわるのは当然なこと。また買ったときには気づかなくても長いお付き合いしているうちに、「その部分」が妙に気にいってくることや新作を見てこれで良かったと納得することありますね。これを愛着というのでしょうか。機械式時計の魅力の一つだと私は思います。それが、定期的なメンテに出した時に、運悪く「その愛着の部分」が部品がすでにストック切れのため、違うものに変えざるを得ないと宣告さるケースは、ユーザー側にとってもそのことを伝えなければいけない販売した方も、そこにメンテを依頼することを躊躇するくらいショックなことです。
同社のオーバーホール依頼の際、針交換のケースが多く、交換になるかどうかは、実際に作業を進めて外してみないとわからないと見積もりの段階で言われます。進行すると今まではほとんどの結果、交換になっています。写真の90年代初めのモデル(オールドナビタイマー、コスモノート)に使用されていたホワイトのエナメルの針は、すでにアフターには在庫はなく、銀色のマーク入りにのものに変わりブラックの永久秒針、クロノ分集計、時間集針は、ブルーに変わる。ブラックダイヤルに白い針、ブラックのスモセコが計器を彷彿し精悍でここに魅力を感じているユーザーも多いはず..。残念。90年半ば以降のものも永久秒針、クロノ分集計、時間集針の形状が変わるものがあるのでご注意。
カレンダーの調整(早送り)
(1)リューズを一段引いて早送り。
現在最も多いタイプです。ほとんどは、リューズを引いて一段目にカレンダー、二段目に時刻調整ですね。ゼニスのエルプリメロはが逆になってます。またエリートは日付を進めることも、バックすることもできます。
(2)コレクターによる早送り
コレクター、プッシュボタンを押して進める方式。コレクターの場合、金属製の専用のピンで押したりしますが、爪楊枝なんかも便利だったりします。
(3)長針を進めて早送り。
時刻調整のリューズポジションで針を進め12時〜1時でカレンダーを進め、今度は針を11時〜8時ぐらいまでバック、これを繰り返して日付を進める方法。ノモスのタンジェント・ディトやジャガールクルトノのCal;918が搭載されているコンプレッサーメモボック、レベイユはこのタイプです。何時まで進めて、何時までバックするかはキャリバーによって違います。また多少個体差はあるようです。
(4)短針を進めて早送り。
GMT機能付きに多いタイプです。リューズを一段引いて独立して動く短針を進めて日付を早送りします。
ロレックスのGMTマスターII,ジャガールクルトのマスターホームタイムなんかそうです。
(1)と(2)の調整の方法の場合、時計が示す時間がカレンダーが変わる午前0時前後3時間でないことを確かめないといけません。この時間帯に早送りをすると機能を損傷する可能性があります。たとえばカレンダーが変わらないとか、変な時間に変わるといった症状です。ナイト&ディ針や24時間針がない場合は、午前・午後の判別ができないのでダイヤルの上半分に短針がある場合は、調整しない方が無難です。その場合、針をぞらしてから早送りをしましょう。以前ゼニスのセミナーの際に、スイスの技術者はダイヤルの上半分の時間帯をデンジャラス・ゾーンと呼んでいました。(3)と(4)はちょっと面倒な感もありますが、デンジャラス・ゾーンはありません。いずれにしても早送り調整は、ゆっくりされたほうが機械にやさしいと言えます。
腕時計のケース素材。
時計のケース素材にはいろいろありますが….
腕時計のケース素材は通常チタン、ステンレス、18金、プラチナ、強化プラスチックなどが使われます。共通した特性は変化に強いということ。ステンレスが登場しはじめたころは、夢の金属と称されたとか、古いパテックのカラトラバにもステンケースは一時期存在したようで当時の価格はK18ケースと変わらなかったとか^^; ステンレスは堅くてキズがつきにくく、錆に強い、研磨仕上げも可能です。日常使い、ハードな使用には適してるといえます。メッキとは異なるPVDという技法によりステンレスでもブラック、ピンクゴールドなどカラーも出来ています。
錆ないとされているステンレスでも空気に触れない条件になると錆びることもありようです。ブレス、ケース、時計は汚れがこびりつかないよう清潔にしておくべきですね。
チタンも変化に強く最近は白くてポリッシュ仕上げのものもあります。またアランシルベスタインはこのチタンにPVD加工を施しブラックやゴールド、ブロンズなどの色のヴァリエーションを出しています。軽いのでラバーストラップとの相性も良いですね。
K18の場合ホワイト、イエロー、ピンクと色に変化をつけることが可能です。このうちホワイトゴールドは白っぽいやや黄色みを帯びた地金(ホワイトゴールド)にロジュームメッキをかけて反射率の高い白い金属に仕上げています。したがって仕上げ直しの際には最後にロジュームメッキをかけ直す行程が追加されます。時計ケースに貴金属を使用するのは、もちろん装飾品として貴金属を身につける習慣もあると思うのですが、変化しない特性を活かして大切な機械を永遠に包み込むといった意味もあるようです。
自動巻時計のパワーリザーブ編。
機械式時計のスペックにある「パワーリザーブ」とは100%ゼンマイを巻いた状態から(自動巻なら時計を腕に巻かず)何時間作動するかということです。
時計の精度はゼンマイから供給されるトルクの安定度に影響されます。ですからトルクが弱くなるパワー供給が不安定になるゼンマイが戻りきる前何時間の状態、インジゲーターでいうレッドゾーン(デザイン上赤くしてないものも多いですが)、ここで使わないというのが上手な使い方と言えます。
ちなみにメーカー出荷の際は100%と50%のポイントで最も精度が出るように調整しているようです。ですからこの間でお使いになればお持ちの時計の性能を最大に引き出すことになるはずです。日常では、通常インジゲーターがついていれば別ですが、今のゼンマイの状態は?と意識し続けるのはやっかいな話で、多くの方は止まらなければ良しといった感じでお使いになっているのではないでしょうか。
取り説には最低装着時間が記載してありますが、日常では、長時間のキーボードのディスクワーク、長距離のオートマチック車運転時など腕に装着していても意外に巻き上げていないシーンも多々あります。(勘違いも多いわけです)
結果的に世間一般で「あの時計は良い」といった漠然とした評価を老若男女にうけている機械式時計のスペックを紐解いてみると、巻き上げ効率が良く、パワーリザーブが長め(レッドゾーンで使用する確率が低い)といったことがあてはまるようです。
お気に入りの時計のスペックを理解して、この時計はこう使うといった、ポイント「くせ」みたいなものを見つけて性能を引き出してあげる使用法は正しい使い方ですし、機械式時計が一般的・ファッション的になってきた今日この頃では、ワンランク上のつき合い方と言えると思います。
「くせ」といえば姿勢差というのもありますね…。