月別アーカイブ: 2006年10月

ノモスの純正ストラップ・シェルコードバン考。

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ノモスの時計に標準についているストラップの素材は、シェルコードバン。コードバンは、農耕馬のお尻の革で非常に丈夫な革として昔から広く使われていたようですが、農耕馬自体が少ないこともあり現在は珍しい素材になっているようです。そのうえ古来からの方法、タンニンなめしとなるとさらに希少。タンニンなめしは植物に含まれているタンニンを使用して時間をかけて皮をなめす方法。現在これをしてる会社は世界で2社しかないらしいです。(そのうちのひとつは日本の関西にあるとか。)ノモス社が使用しているのはもう一つのアメリカのHORWEEN社製のもの、約七ヶ月をようし化学的なものを一切使用せづになめされた革です。丈夫で収縮性が少なく、手のあたりが良いのが特徴です。この革を材料に1本,1本ハンドメイドされてノモスようのストラップが出来ています。タンニンなめしされた原皮は焦げ茶色だそうで、ノモスのブラックのストラップを使い込むとやや茶色ががって見えるのと、標準では設定がないのに(カラータンジェントは例外です)ブラウンも用意されているのはその為だと思います。シンプルで味のあるこの素材を使ったストラップはデザイン、コンセプト共にノモスの時計にマッチしていますね。また、このこだわりがノモスという会社らしくも思えます。
ノモス純正ストラップ シェルコードバン

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ノモスの自動巻モデル,タンゴマット。

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ようやくというか、突然。いちおうディト無しモデルのみが入荷しました。ここまで来るには色々あったようです。さすがに自動巻になっていままでのタンジェントが直径も厚みも一回り大きくなった感じ、ストラップもお馴染みのシェルコードバン、サイズはケースに合わせて20-18mmになっています。シースルーバックから見えるローターの動きはレスポンスが高く、巻き上げ効率は高そうです。ノモスという会社は最初から自社ムーブメントのコンセプトがあったからこそここまで出来たんだと思います。これで手巻きと自動巻のベーシックな自社キャリバーを持つ文字通り時計メーカーとなったわけです。

 ムーブメントを自社で生産しなくとも、時計ブランドとして十分やっていける時代。考え方メーカーのコンセプトは色々ですね。 ある新聞の記事によると2005年のスイスの腕時計の輸出額は歴史上最高金額(約1兆1407億円)を記録したそうです。記事には機械式時計の復活とありますが………..ノモスのような自社ムーブメントを目指す、遠回りで地道な活動を続け達成して行く会社はどれほどあるでしょうか。
吉と出るか凶とでるか…..

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11年振りの里帰り。アーキテック。

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1995年に販売したアーキテック(1993)をオーバーホールでお預かりしました。久々の里帰りで、懐かしく思わず写真を撮りました。お持ち頂いたのは、オーナーの妹様、譲り受けたとか。久々に手に取りましたが、今でも古くささを感じさせないクールな時計でした。当時は店頭で赤い針やクネクネ秒針がとっても変わった時計というふう見られていたことも思いだしました。その方々に今もう一度印象をお聞きしたらどんなお答えが帰ってくるか興味あるところです。時が流れても風化しないデザインこそ機械式時計にふさわしいと思ったわけです。

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異端から正統へ

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楽しみにしていた新譜をようやくゆっくり聴くことが出来ました。パットが絶賛していた若手ピアニストブラッドメルドーとのデュオ。予想とおり素晴らしい出来でした。美しいシンプルなアコースティックピアノにパットのギターが溶け込んで行く感じです。

タイトルの「異端から正統へ」というのは「ECMの真実」by稲岡邦弥氏 の副タイトル。ECMというレーベルにはパットメセニー、チックコリア、キースジャレットやギズモンティ、リッチーバイラーク….所属していて、当時ビバップジャズしか認めない古い評論家の人たちは、ECMの音楽をそんなのはジャズじゃないと異端扱いしていたようです。でも彼らがいなければジャズは古典で終わっていたかもしれません。異端から正統へという言葉は、新しい物が生まれる時、いつの時代にも当てはまるものかも知れませんね。

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